文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

俳優 杉良太郎(すぎりょうたろう)さん 65

一病息災

[俳優 杉良太郎さん]腰痛(3)手術の翌朝 立って稽古

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 2001年、名古屋の公演直前に決断した2回目の手術。川崎市の主治医に、現地の整形外科医を紹介してもらった。
「『明日が最後の舞台稽古(げいこ)なんですが、立てますか』と聞いたら、先生は『立たせます』と言うんです。この言葉を信じました」

 神経を圧迫していた椎間板(ついかんばん)を切除する手術が終わり、全身麻酔から覚めた。夜は、神経の高ぶりで一睡もできなかった。朝5時半ごろ、ベッドから起きあがり、歩いた。

 「医師の先生は『奇跡ですね。バンザイ』と喜んでくれました。通常は1週間は安静。『立たせる』と言ったものの、すぐに立って歩く患者はいなかったらしいですね」

 退院して2時間休憩後、仕上げの稽古に臨んだ。そして翌日、公演初日を迎えた。演目は「遠山の金さん」。危ないシーンがあった。

 「お白州でまさに桜吹雪を見せようとした時です。長いはかまをけり出したら、ちょうど帯の結び目が手術の傷口に当たったんです。目の前は真っ白。でもここで、下に落ちたら引退だという思いが頭の片隅にあったんでしょう。ぎりぎりでこらえましたよ」

 1か月の公演をやり遂げた。しかし腰は完治したわけではなかった。神経の根元に麻酔薬を注射する治療も受けたが、効果が薄くなってきた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

sokusai_117

 
 

一病息災の一覧を見る

俳優 杉良太郎(すぎりょうたろう)さん 65

最新記事