俳優 杉良太郎(すぎりょうたろう)さん 65
一病息災
[俳優 杉良太郎さん]腰痛(2)ぎっくり腰の100倍痛い
腰の痛みは、腰の骨(腰椎)の間にある椎間板がつぶれて、背骨の中を通る太い神経を圧迫しているために生じていた。椎間板ヘルニアだ。
「1993年、大阪での1か月の公演を何とか務め、すぐに川崎市の病院に入院し、神経に触れている椎間板を削る手術をしてもらいました」
顔が知られたスター俳優。リハビリの姿を見せるわけにはいかない。歩行訓練は夜間、病院内の廊下で行った。
痛みは何事もなかったように消えた。しかし、主治医は「背骨が全体的に悪いから、別の場所でまた再発するよ」と忠告した。その言葉通り、2年ほどでまた痛み始めた。
「ヘルニアは、ぎっくり腰の100倍くらい痛い。絶叫しますよ。虫歯の痛みなんて、全然たいしたことないと思えるほどです」
痛みに耐えて舞台にたち続けたが、限界が来た。2001年、名古屋・御園座での座長公演の直前だった。
「その前に、整体や、はりなど、いろいろ試したのが、逆効果だったんですね。痛みがいよいよ我慢しきれず、はうようにして楽屋に行き、午前3時にみんなを集めて、『手術を受ける』と告げたんです。プロデューサーは公演中止を覚悟したようです」
舞台初日は2日後に迫っていた。
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