古武術で元気に
連載・健康プラス
(4)股関節使い体柔らかく
古武術は、上半身と下半身をうまく連動させ、より大きな力を引き出すのが特徴だ。防衛大学校准教授の入江史郎さんは「力を伝えるために重要な役割を果たしているのが、骨盤と大腿骨を結んでいる股関節」と指摘する。
入江さんは2001年に古武術に出合い、同校で体育の授業に取り入れている。また、地域の社会人バスケットボールチームのコーチを務めており、古武術の動きを取り入れる試みを続けている。
バスケットボールでは一般に、腰をひねってフェイントをかけ、相手を抜いていく。しかし入江さんは、ひざの力を抜き、股関節を動かしながら、相手の体をかわすように指導している。「腰をひねらないので、相手に次の動きが読まれにくい」と話す。
腰の骨は、関節とは違い、大きく動かす構造になっていない。無理に動かそうとすると痛めてしまうこともある。腰よりも可動域の大きな股関節を使う機会を増やせば、腰を痛めることも減っていく。
股関節を動かす習慣をつけるため、股関節を柔らかくする体操を入江さんは勧める。
大またで立ち、力まないでリラックスして、イラストのように、足の付け根の股関節から下を曲げる。股関節を内側にたたむというイメージだ。
その際、腰をひねらないようにし、上半身は正面に向けたままにするよう心がける。
このような体操を続ければ、股関節が柔らかくなり、動かしやすくなる。思った以上に自分の体を動かせると実感できる。入江さんは「古武術の動きは体のつくりに合ったもの。コツをつかめば、普段の生活の動作も気持ちよくスムーズになります」と話している。(崎長敬志)
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