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高齢者の性・ブログ

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(7)体の変化、話し合える仲

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「まずは手を握るところからね」。産婦人科医の堀口雅子さん(左)と貞夫さん夫婦

 【「医療ルネサンス」から転載】年を重ねても豊かな性を楽しみ続けるために、男女はどう向き合えばいいのか。ともに産婦人科医で、思春期から老年期まで幅広く性の相談を受けている堀口雅子さん(79)(女性成人病クリニック副院長)、貞夫さん(76)(主婦会館クリニックからだと心の診療室所長)夫妻に聞いた。

 貞夫さん(以下夫) シニアの年代は、性は恥ずかしいものと思っているから、なかなか人に悩みを言えない。僕らに打ち明けると、ほっとした顔になりますね。

 雅子さん(同妻) パートナーにも言えない。自分の体の変化を、相手に話して理解してもらわなくてはいけないのに、それまでに話し合える関係を作れていないから、突然そんな話もできないんです。

  男性患者を診ている泌尿器科医から、「勃起(ぼっき)障害は治ったのに、いざ妻に迫ると拒否される患者が多い」と嘆かれたことがあります。

  夫婦関係が豊かな人は、性機能が衰えても潤滑剤やホルモン剤などを使うことで性行為はうまくいきます。逆に、夫からいたわってもらった経験がない女性は、閉経を境に「おつとめは卒業」と拒否姿勢。それまでの夫婦関係が高齢者の性生活に大きく影響しますね。

  それに男は、性って挿入や射精だけだと思っているし、性をアダルトビデオやポルノ雑誌で勉強しますね。医学的に正しい知識を得る機会もなく、男女のすれ違いの原因になる。

  性の学習は大事ね。

  お互いの体についての正しい知識と共に、自分の気持ちも相手の気持ちも大事にするコミュニケーション能力を身につけるべきですね。「男が求めたら受け入れるのは当然」「女性から求めるのは、はしたない」などの誤った思い込みが、関係もゆがめます。

  それから、パートナーがいない人も多く、必要以上に男女仲良くと強調するのはおかしい。講演会で「マスターベーションが心地いいなら、それはいいことよ」って話すこともある。

  それぞれみんな違う。夫婦でも両方が性交渉を完全にいらないと思っているなら、それでいい。日本人は性的に淡泊とも言われてますし。

  人間的なコミュニケーションがあるかどうかが大事。仲良く生きていく中に、性的な触れ合いはあっても、なくてもいい。

  ただ、赤ん坊から老人まで、人はいつも誰かに触れてもらいたいし、触れられると安心する。年を取ると、周りが死んで一人になっていくという思いが出てきます。人との触れ合いを求める心は強くなるし、尊重されないといけませんね。

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岩永直子

読売新聞 医療部記者

39歳、夫と二人暮らし

趣味は居酒屋巡りとダイエット

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