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一病息災

闘病記

[エッセイスト 千住文子さん]心臓弁膜症(2)子供たち3人 執刀医探し

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 一昨年1月、内科の主治医に「心臓の弁に異常があり、血液が逆流しています。外科手術が必要です」と告げられた。

 すぐに長男の日本画家・博さん、次男の作曲家・明さん、長女のバイオリニスト真理子さんの3兄妹による心臓外科医探しが始まった。

 「みんな忙しいのに、知り合いの医師に話を聞いたり、本を読んだりして、情報を集めてくれました」

 2000年に、夫も同じ心臓弁の病気で他界していた。77歳だったが、当時は「高齢だから手術できない」と言われ、従うしかなかった。

 家族には「あの時、父を、夫を救えなかった…」という無念さが強く残っていた。「あの時と同じことは繰り返さない」。真理子さんのこの思いは二人の兄も同じだった。

 ある日、一晩中かかって真理子さんが一片のメモを探し出してきた。

 父の死後まもない頃、明さんと心臓手術のテレビ番組を見ていて、「もし、この医師に出会っていたら、父を助けられたのに…」と思い、その名を書き留めたことを思い出した。

 メモには、国内屈指の手術実績を持つ心臓外科医の名前が記されていた。

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