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一病息災

闘病記

[エッセイスト 千住文子さん]心臓弁膜症(1)生と死のはざまに落ちた

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 長男博さんは日本画家、次男明さんは作曲家、長女真理子さんはバイオリニスト。3人の著名な芸術家を育てた。

 2000年に夫が他界した後、子供の自主性を重んじた子育て、家族のきずなを描いた著書「千住家の教育白書」が反響を呼び、2002年ごろから執筆や講演活動が忙しくなった。

 そんな時、健康診断で心房細動と診断された。心臓上部の心房が細かく震える不整脈で、高齢者に多い病気だ。

 「最初は自覚症状がなかったのですが、次第に、夜中に息苦しくなることが増えてきました」

 発作が起きると薬を飲み、数時間じっとして収まるのを待つが、真理子さんが深夜、主治医に電話して薬の量などを確認することも増えた。真理子さんは本来泊まりがけで行く地方公演でも、無理して日帰りするようになった。

 一昨年1月には、薬の効きが悪くなってきた。ニューヨークから戻っていた博さんに診察に付き添ってもらうと、内科の主治医に「外科に行ってください」と言われた。単なる心房細動ではなく、心臓の弁の異常で、血流が逆流しており、手術が必要だという。

 「生と死のはざまに落ちた、と感じました」

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