女優 仁科亜季子(にしなあきこ)さん 56
一病息災
[女優 仁科亜季子さん]子宮頸がん(3)輸血でC型肝炎に感染
子宮頸がんの治療で、京都大病院に4か月入院した。足の付け根の血管から抗がん剤を入れる動注療法。次に子宮と卵巣の全摘手術。最後に放射線治療を受けた。
「抗がん剤は聞いていた通り、髪の毛がごそっと抜けました。吐き気がつらかったですね。治療後、左脚のリンパ浮腫がひどくて、初めは象さんみたい。地中から何かにひっぱられるような重さでした」
治療が残したのは、手術の後遺症だけではなかった。手術の際に輸血をして、C型肝炎に感染していた。
「手術から2年後、だるくてだるくて、タテになっても、ヨコになっても、身の置きどころがないようなつらさでした。今はおかげ様で治まっていますけれど」
再発の不安は時間とともに薄らいでいく。ところが、夫婦の間がきしみ始めた。
「松方さんはやんちゃな方でしたが、私にとって家庭は大切なので、生涯添い遂げようと思っていました。でも、いろいろなことがあり、次第に価値観がずれていってしまったと思います」
当時15歳の長男は「お母さんの人生だから自分で決めれば、大丈夫だよ」と言ってくれた。98年、20年の結婚生活に終止符を打ち、離婚した。
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