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はつらつ健康指南

健康・ダイエット・エクササイズ

笑顔で「やきとり体操」

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学生と一緒に「やきとりじいさん体操」をする考案者の岡田麻紀さん(手前)(福島市の桜の聖母短大で)=池谷美帆撮影

 運動でダイエットしたいのですが、何をやっても挫折してばかり。無精者でも楽しく続けられる運動はありませんか。

ネットで話題に

 わかっちゃいるけど続かない。多くの人が抱える悩みに応えようと、「誰もが楽しく続けられる」をテーマに考案されたのが、インターネット発で話題の「やきとりじいさん体操」だ。

 「やきとりやきとり やきとりじいさん 毎日やきとりやきます ……人生修業の毎日……」(歌詞はひらがな)という、哀感の中にとぼけた味わいのある歌と、対照的にコミカルな振り付け。昨年6月にインターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に登場すると一躍話題となり、現在、閲覧件数は約53万件に上る。

 全国各地で講習会が開かれ、内容を紹介したDVD付きの本も発売されるなど、人気はネットを超えて広がっている。

 考案者は、桜の聖母短大(福島市)講師で、市民向けの健康講座も受け持つ岡田麻紀さん(32)。岡田さん自身、体育学を学んでいた学生時代から12年間、あらゆるダイエット法に挑戦しては挫折を繰り返してきた。継続できる体操がないなら自分で作ろうと、一念発起。長年の失敗の原因を探ったうえで試作、実践してみると、3か月で10キロ・グラムの減量に成功した。

 このノウハウを使い、さらに楽しくするため、音楽に合わせた体操を作ろうと考えていたところ、地元・福島市の焼き鳥のPRソング「やきとりじいさん」に出合った。すぐに振り付けのイメージがわき、この体操が完成した。

4分の曲に乗せ

 岡田さんが挫折経験から学んだ「毎日継続するための条件」は、〈1〉自室でできる〈2〉お金がかからない〈3〉手近なものを小道具に使う〈4〉楽しく笑顔になれる――の4点。自室でタダなら、いつでもできる。小道具は、気が乗らないときでも腰を上げるきっかけになる。部屋の中ですぐ使えるものが効果的だ。この体操では音楽がその役割を担うが、枕やタオルなどもいいそうだ。

 さらに、「ぷっと笑える愉快さ」がこの体操の身上。約4分間の曲に乗せて腰や腕を振り動かし、「小鳥」「くし刺し」「ねぎま」など焼き鳥にちなんだポーズを取る。冗談のようだが、「腰や肩甲骨の周辺、股(こ)関節など、普段あまり使わない部分を動かすので、代謝や血行が良くなり、活動的でやせやすい体になります」(岡田さん)と、ダイエット効果もおろそかにしていない。

 笑顔で取り組むことは、運動効果の面でも重要だ。呼吸に関する運動生理が専門で、スポーツ選手の呼吸指導などを行う千葉県立沼南高柳高校の松下哲哉教諭は、「笑顔になると、口や鼻の穴が広がり、自動的に深呼吸している状態になる。空気の摂取量が通常の1・2倍くらいになるので、苦しくならずに続けられ、効果も上がる」と説明する。

 楽しくダイエット。今度こそできるかも?(林真奈美)

手足ネギ・鶏肉に見立てる

 ポーズの一部を紹介すると――。

 〈1〉=左足を踏み出し、腰を左にひねりながら右腕を頭上に振り上げ、背中を伸ばす。全身をくしのように一直線に。反対側も同様。

 〈2〉=右足を軽く曲げて立ち、左足を横に開いてひざを直角に引き上げ、左腕のひじから上を横に振り上げる。左手、左足をネギや鶏肉に見立てて。反対側も。

 写真の小鳥のポーズは、腰を左右に振りながら肩甲骨を寄せ、はばたくように両手を振る。詳しくは岡田さんのホームページ(http://okadamaki.iinaa.net/)。

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