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女優 仁科亜季子(にしなあきこ)さん 56

一病息災

[女優 仁科亜季子さん]子宮頸がん(2)子供いたから治療できた

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 91年5月、検査の結果を聞きに、京都市内の病院へ一人で車を運転して出かけた。

 「ご主人は」と医師。「海外ロケでいません」と答えると、「では、ご家族は」と問われ、嫌な予感を覚えた。「直接、私に言ってください」とお願いすると、「ごく、初期の子宮頸がんです」と告げられた。初期と言っても、2期に近い悪性度の強いものだと後で知った。

 「車に戻ってから、病院の駐車場で2時間か3時間泣きました。いろいろなことが頭の中をぐるぐる回って。でも、それで何かふっきれました。『まだ小学生の2人の子供のためにあと10年、なんとか生きながらえなきゃ』と思いました」

 長いと6か月と言われた入院まで1か月ない。やることがいくつもある。子供の制服は夏服を用意し、夏休みに子供たちをサマーキャンプに預ける手はずを整える。自宅のタンスのどこに何が入っているかラベルを張ってわかるようにし、ノートを作ってお手伝いさんにお願いする……。

 「治療に向かうことができたのも子供がいたからですね。1か月のキャンプに出発する時は、はがきを15枚ずつ持たせ、『何か書いて、送ってね』と言って送り出しました」

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sokusai_117

 
 

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