一病息災
闘病記
[演歌歌手 宮路オサムさん]急性膵炎(3)胃潰瘍の教訓忘れた「罰」
重症急性膵炎で倒れるまで、酒やたばこがない生活など考えたことすらなかった。「仕事柄、医者が言うような健康な生活は最初から無理。肝臓や肺は気にしてサプリメント(栄養補助食品)をとっていましたが、膵臓がやられるとは思わなかった。14年前のことがあったのに、のど元過ぎればという感じで、神様が怒ったんでしょう」
三重県にある妻の実家を訪ねた時のことだ。背中全体に激しい痛みを感じて倒れ、近くの病院に救急車で搬送された。急性の胃潰瘍(かいよう)で胃に穴が開いていた。緊急手術で胃を摘出、腹の中全体をきれいに洗浄してもらった。
「東京なら入院に時間がかかり、手遅れだったかも」。原因は明らかだった。1970年代に「なみだの操」などを大ヒットさせたバンド「殿さまキングス」を解散後、会社を作り、お金の計算もスケジュールも自分で行うようになり、心労が重なった。
その後、一時は酒をやめたが、回復するにつれてビール中びん1本が2本、2本が4本に増え、1年後には我慢していた反動か、以前の倍も飲むようになってしまった。
「『酔いどれオサムちゃん』と呼ばれるのが、かっこいいつもりになっていました」
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