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一病息災

 メディアなどでお馴染みの芸能人、有名人だって、一人の人間として病気や心身の不調と向き合っています。苦しかった経験や、病によって気付かされたことなど、率直な思いをお聞きします。

闘病記

[女優 秋吉久美子さん]看取る(6)本人の気持ちを尊重

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 母が転院した先の都内の病院は、患者や家族の希望を最大限に尊重して対応してくれた。

 「告知はしない、という私たちに、話を合わせてくれました。そして亡くなる3日前まで、母の希望で口から食べていました」

 すでにがんが広がっていたので、食べ物を裏ごししても、のどを通らない。口に入れて、かんだ後は、チューブで吸い出してくれた。親戚(しんせき)が差し入れてくれた手打ちそばも、細かく刻んで口に入れた。

 「おいしい、さわやかな味がする、と言って食べるんですよ。食べたものを吸い出すのは苦しそうでしたが、頑張るんです。点滴で栄養を入れる方法の説明も受けましたが、命が限られている時に何がいいのか。本人の気持ち次第です」

 鼻に酸素のチューブが入っている時でも、足元から医師に話しかけられると、恥ずかしがって布団で顔を隠した。枕元なら平気なのだが。

 「母のことは、親友のように思っていたのに、今まで見たことのない、少女のような心も持っているんだって気づかされました。こんな人に、告知なんてできない、と改めて考えてしまいました」

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