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自然を走る自転車レース

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各地で人気 達成感も魅力

ゴールを目指して、坂を上っていく参加者たち(今年6月の「ツール・ド・つくば2013」)

 一般の人でも参加できる自転車レースが各地で開催されている。自然豊かなコースを楽しみながら、「完走」や「記録更新」の達成感を味わえるのが人気のようだ。

 茨城県つくば市で今年6月に行われた自転車レース大会「ツール・ド・つくば2013」。5回目となる大会には首都圏を中心に自転車ファン約870人が参加した。

 コースは12キロ。筑波山の麓から中腹に向けての緑の中、高低差約500メートルを上る。レース中は自動車の通行制限をしており、安心して走ることができる。爽やかな空気を吸いながら、急な坂をひとこぎひとこぎ上っていく。早い人は30分弱でゴールする。

 初めて参加したという、地元つくば市の菊地浩二さん(29)は、本格的に自転車に乗り始めて2年半。運動はあまりしてこなかったが、自転車は気軽に始められた。「自然の風を感じながら、スピード感も味わえるので楽しい」と話す。

 筑波山麓は首都圏から交通の便が良く、自転車ファンが多く訪れる。そこでレースが企画されたという。主催者は「日帰りで参加できる大会のメリットを生かしながら、地域の良さもアピールしたい」と話す。

 新潟県佐渡市で今年5月に開かれた大会「佐渡ロングライド210」には約3000人が参加した。最長210キロから40キロまで4コースある。佐渡島の海岸沿いにコースが設定されており、美しい自然の中のレースが楽しめる。

 佐渡のほか、沖縄県北部を走る「ツール・ド・おきなわ」や、長野県の山岳地帯がコースの「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍(のりくら)」などもある。レース開催地を訪れること自体が魅力的な旅となる。

 こうした自転車レースにはさまざまな種類がある。「ツール・ド・つくば」のように坂を上るのが「ヒルクライム」。佐渡の大会は、長距離を走る「ロングライド」。さらに周回コースのレースは「クリテリウム」などと呼ばれる。市民マラソンと同じように、タイムを競い、完走する達成感も味わえる。

 一方、岩手県陸前高田市で10月に開かれる「ツール・ド・三陸 サイクリングチャレンジ2013」は、タイムを競わないサイクリング大会だ。今年で2回目。約18キロ、約39キロ、約49キロの3コースがあり、「震災から2年経過した街の風景を自転車に乗りながら見てほしい」という。

 自転車についての調査研究を行う「自転車文化センター」(東京)学芸員の村山吾郎さんによると、レースに参加するなら、自分の自転車で長距離を走ることに、慣れておく必要があるという。

 特に注意したいのは事故。事前に傷害保険に加入することも求められる。「下り坂は自動車並みのスピードが出るので初心者は事故を起こしやすい。慣れないうちはタイムではなく、完走を目標にする大会が向いています」と村山さんはアドバイスしている。

プロ選手 注目の的

 自転車レースは観戦するだけでも楽しい。

 今年5月に国内外のプロ自転車選手が参加して開かれた自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」東京ステージには、約12万5000人の観客が集まった。

 今年10月には、さいたま市内で「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」が初めて開催される。フランスで行われた世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」に出場したプロ選手の来日が予定されている。

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