歌手・俳優 井上順さん
一病息災
[歌手・俳優 井上順さん]難聴(1)耳を酷使して聴力低下
グループサウンズ「ザ・スパイダース」に16歳で加わり、解散後はソロで「お世話になりました」などヒット曲を歌ってきた。軽妙なおしゃべりで歌番組の司会や俳優も。若いと言われるが、歌手としての耳の酷使で、十数年前から難聴になった。落ち込むこともあったが、補聴器を利用して以前の聞こえを取り戻した。
今の東京・代々木公園(渋谷区)の前にあった馬場が実家だ。祖父は日本に初めて競馬を持ってきた。父はその馬場で馬を診る獣医師。その一家の3人きょうだいの末っ子として生まれた。
渋谷区でも、まだ田んぼがあり、占領していた米軍のカマボコ兵舎が並んでいた。毎日夕方まで野球をして遊ぶ元気な少年だった。「ふざけていて、肥だめに3回も落ちてしまった」
「笑い声が絶えない家でした。両親がハイカラで、ジャズを聞いたり、映画によく連れて行ってくれました」。その影響もあり13歳で、俳優やデザイナーなどを目指す、流行最先端の若者の集まり「六本木野獣会」に入った。そこのバンドで歌うようになった。
高校生の時、スパイダースのリーダー田辺昭知さんにスカウトされた。7人の中で最年少のメンバーになった。堺正章さんとボーカルを担当。数年後にグループサウンズ全盛期となるが、「初めの頃は全く客が集まりませんでした」。
◇
歌手・俳優 井上 順(いのうえ じゅん)さん 68
【関連記事】