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学歴が自殺リスクに関係―国がん調査

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学歴が自殺リスクに関係―国がん調査

中卒に比べ大卒でリスク半減

 国内の40~59歳の男女約5万人の調査から、学歴が低い人に比べ高い人では自殺リスクが低いことが分かった。男性では中卒者に比べ大卒者で、女性では中卒者に比べ高卒者で自殺リスクが約5割低かったという。国立がん研究センターなどの研究グループが4月9日発行の日本疫学会誌「Journal of Epidemiology」( 電子版 )に報告した。

40代女性では中卒者に比べ高卒者でリスク8割減

 調査対象は、さまざまな生活習慣とがんや脳卒中などの病気との関係について調べるために実施されている「多目的コホート研究(JPHC研究)」の参加者のうち、1990年のアンケート調査で最終学歴について回答があった岩手県、秋田県、長野県、沖縄県の男女4万6,156人。同年以降、平均で22年間追跡調査した結果、最終学歴が中卒の男性に比べ、大卒またはそれ以上の男性では自殺リスクが53%低いことが分かったという。また、女性でも中卒者に比べ高卒者では同リスクが低く、特に1990年時に40歳代だった女性では中卒者に比べ高卒者で自殺リスクが約8割低いことが示された。

 研究グループによると、以前から欧米では学歴が低い人で高い人に比べ自殺リスクが高いとの報告があり、今回、わが国でも同様の関係が認められたことになる。同グループは「学歴は社会経済的状況の主要な指標の1つ。学歴と健康について検討することは、健康増進の観点からも必要な教育環境の整備を考える上でも重要」と説明。「今後も学歴を含む社会経済要因と自殺のリスクとの関連について、さらに検討していく必要がある」としている。

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